おくりもの
おくりものCD | ||
空気公団 mini album「おくりもの」(全6曲) BNCL-28 ¥1,800(税込) |
○ごあいさつ ○レコーディング風景日記 第一回 第二回 第三回 第四回 第五回 ○曲紹介 ○アレンジ・曲解説 ○おくりもの試聴 ○おくりものクレジット |
おくりものevent | ||
2/25(日) 宮城/仙台 cafe mozart Atelier 3/4(日) 大阪/阿波座 dining cafe+goods martha 3/18(日) 東京/青山 月見ル君想フ |
○ごあいさつ ○リハーサル風景日記 ○ライブレポート ○ライブセットリスト ○おくりもの展 空気公団 × 平野由紀子 |
空気公団 mini album「おくりもの」 (全6曲)
BNCL-28 ¥1,800(税込)
1. おはよう今日の日
2. 心ごころ
3. ほんのり
4. 何をするでも話すでもなく
5. 白いリボン
6. おくりもの
※グリンピース君マークのある曲が試聴出来ます。
こちらのサイトでお買い求め頂けます。
Bad News Records・ @TOWER.JP ・amazon.co.jp ・HMV
空気公団「おくりもの」
performed by 山崎ゆかり、戸川由幸、窪田渡、太田宏司、石坂義晴
笹井享介、K-Ta、奥田健介、斉藤寛、井上梨江、山口とも
produced by 空気公団
all songs written by 山崎ゆかり
basic arrangement by 窪田渡
recording & mixing engineer 中村文俊
recording engineers 堀込宗嗣、細 智史、戸川由幸
assistant engineers 中里隆夫、馬場毅
mastering engineer 小島康太郎
mastered at FLAIR MASTERING WORKS
art direction & design : sign
art work : MUSUBI
photograph : TAKAMURADAISUKE
2006年12月18日(月)〜12月27日(水)
『おくりもの展』空気公団×平野由紀子
●終了いたしました。沢山の御来場ありがとうございました。
空気公団の音楽と平野由紀子の布小物。
誰かにあげたいささやかなおくりものの展覧会。
ごゆっくり楽しんで頂ければと思います。
期間中は販売も行っていますのでおくりものにどうぞ。
布小物作家平野由紀子とのコラボレート展です。
是非お立ち寄り下さい。
○日時 12月18日(月)ー12月27日(水)
11:30ー19:00 ……12月18日と19日
11:30ー21:00 ……12月20日 ←この日だけ夜まで営業しています。
11:30ー19:00 ……12月21日と22日
13:30ー19:00 ……12月23日と24日 ←イベントの為お店はお休み。
11:30ー19:00 ……12月25日と26日
11:30ー19:00 ……12月27日
○場所 cafe SEE MORE GLASS
東京都渋谷区神宮前6-27-8 京セラ原宿ビルB1F
03-5469-9469
※期間中小さな食事と演奏の会「ごはん演奏会」(チケットは全て完売しております。)
のため23日と24日はお店の営業はしておりません。
新しい音楽が出来ました
今回は『おくりもの』をテーマにしています
たくさんのおくりものがある中で
私が選んだおくりものとは「存在感」です
大切な誰かが実生活あるいは心の中にいるとして
その「存在」に守られ助けられ支えられたりするとき
自分の中に活力や新しい考え方がうまれます
それこそがおくりものなのではと考えました
大切な誰かと心の中の誰かと
いつまでも聴いてもらえたらと思っています
第一回 9/27 ドラム&ベースレコーディング
本日より本チャンレコーディング開始。昼集合。あいにくの雨模様。スタジオは西永福で、他のメンバーはフワスタに一旦集合との事だが、僕は自宅から行った方が早かったので背中にでかいベースを背負い、ビニール傘をさしてベースびしょぬれ状態で一人スタジオを目指す。ごめんな、ベース。が、道に迷ってしまい、メンバーに電話で訪ねるなどして、ようやくスタジオについた頃には僕自身もびしょぬれであった。
スタジオには既にドラムの太田君が。今回の作品では4曲を叩いてくれる予定。ライブ以外でこんなにがっつり組むのはひさびさ。懐かしいラック型のドラム。僕はびしょぬれの靴を脱いで、ひとり靴下姿で楽器のセットをしたり、たばこを吸ったり。しばし太田君と雑談。曽我部さんのライブの話などが聴けて面白かった。
ほどなくして山崎、窪田、エンジニアの中村さんらが続々登場。中村さん、湿気を気にしており、激寒いのにエアコンを入れられる。しかし湿気がなくなってくると、ドラムの鳴りが全然違ってくるらしい。へぇ〜。
今日は昼飯が用意されていて、みんなでソバやカツ丼などを食う。食う。雑談。
メシ後に録音スタート。最初の曲は「心ごころ」。太田君のリクエスト。ムズいからこっち先がいいんだってさ。僕も太田君もやることが100パー固まってる状態ではないので、何度か合わせながら内容を固めていく。うーん、懐かしき太田サウンド。ラフなものを2,3回とって音を聴きにコントロールルームへ。いい音。みんなドラムのチューニングなどで意見をかわしている。
そうして何度か録音をして行くうち、太田君がいち抜け。お疲れ!僕は納得いってない場所を何か所か弾きなおして、ようやく録音終了。いやいや、お疲れ。
そのまま次の曲「ほんのり」の録音へ。タイトルからは想像つかん曲調だと思う。太田君は元気そのもの。僕が休憩をはさもうとしても、はやくやりたいと言って部屋へ入ってしまう感じ。僕はしかたなくルマンド1本とたばこ1本だけで休憩を終わらせた。
「ほんのり」はドラムのスピード感が心地よい。ベースも楽しく弾けた。と思う。先ほどと同じように何度か合わせて固めようとするも、しばらくやってるうちに若干煮詰まってしまい、時間も時間だったので晩飯を食べることに。晩飯は中華屋の出前。しばし休憩。
メシ後は太田君絶好調。結局、メシ後のファーストテイクがOKとなった。僕も同じテイクで、少し直しを入れてOK 。時間は夜22時。時間かかっちゃったなー。みんなごめん。そして一同家路についたのであった。
PHOTO : HIDETOMO HIRAYAMA
第二回 9/28 ドラム&ベース&パーカッション&ピアノレコーディング
今日は二日目。快晴。
曲目は「おはよう今日の日」と「何をするでも話すでもなく」。まずは「おはよう〜」のドラム&ベース。この曲はデモの窪田さんアレンジのサビのベースラインが個人的にすごく気に入っていたので、かなりそのまま弾いた。シンセのベースみたいなニュアンスは出ないけどね。
ドラムはスネアを昨日より固めの音のを試すことに。うん、いい感じですね。アレンジについてはデモどおりに行くかどうするかで多少みんなでアイデアを出し合う。数パターン叩いてもらって、結局デモっぽい感じのパターンで落ち着いた。ファーストインプレッションは大事ですな。に、してもこの16の感じ、「ここだよ」を思い出すなあ。うまいぜ、太田君。
アレンジが落ち着いてからが、実は結構大変で、何回もテイクを重ねていった。ドラムのアレンジが固まるのをよそに、ひそかに前半のベースのアレンジを迷っており、結局太田君がまた一抜けで、ベースだけ何か所か直すことに。その間に届けられていた皆のソバたちは伸びに伸びており、非常に肩身の狭い思いをした。ごめん。
メシ後は「何をするでも〜」の録音。この曲は僕の希望でクリックなしで録音することに。ほんとはドラムとベースだけの予定だったけど、これも僕の希望で、たまたまスタジオにあったピアノも録音してしまうことに。中村さんすいません。
結局太田&山崎&戸川の録音になったのだけど、ピアノを録りながら山崎さんが仮歌を歌ってしまうとピアノのマイクに仮歌が入ってしまうので、なんとガイドボーカルを窪田さんが歌うことに。最初の数テイクは笑いを堪えるのに神経を集中していたため、演奏にまったく集中できなかったことはここだけの話。いや、いい声してるんだけどね。
数テイク録音して終了。そして録音中にすでにスタジオに到着していた山口ともさんのパーカッションレコーディングへ。あいかわらずぱっと見から音が想像できない様な元廃品の楽器達が並べられて行く。楽しみですね〜。
そして録音スタート。どんな音かはなかなか文章であらわせないけど、本当に雰囲気のある、すばらしい演奏。曲の雰囲気が一気に変わりました。パーカッション類の後は、手と口で「風」の音を作り出して、録音。どうやってるんだ???聴いてもらえばわかるけど、最初に風の音が入ってるんですよ。あれ、シンセとかじゃないです。手と口です。聴いてみて。
というわけで、二日目終了。太田君、ともさんお疲れさまでした。どうもありがとう。
PHOTO : HIDETOMO HIRAYAMA
第三回 10/1、10/5,6 ギターレコーディング
今日は石坂さんと僕のギター録音の日。
場所はエンジニア中村さんのスタジオ。昼集合で、僕だけ少し遅刻していくと、すでにみんなそろっていた。石坂さんはおにぎりタイム。他のひとのレコーディングをしていて、あまり寝ていないとの事。むかしルーシーのレコーディングで中村さんがエンジニアをしたことがあるそうで、2人は「久しぶり」と言い合っていた。
録音は石坂さんから。僕がルーシーのライブでみて好きだった赤いテレキャス。アンプも石坂さん自前で、非常にいい音をしています。今回は「心ごころ」、「ほんのり」の2曲をお願いしました。メンバーからの細かい注文をバッチコーイみたいな感じで受けてくれる。ほんのりではアコギも弾いてもらったのだが、こういう曲をこんな風には、僕では絶対鳴らせないので、やっぱギタリストの手ってすごいなーと思いました。弾けるひとが弾くと、楽器って鳴りが全然ちがうねー。
僕が担当した曲は「おはよう今日の日」。繰り返しが多い単調なギターだけど、結構難しかった。これ、後から気付いたけど変則チューニングにすると楽に弾けるんだよね。ライブではそうしようと思う。サビとリフで音色を変えた方がいいとの中村さんのアドバイスがあり、別々に録った。今回の作品の中で、自分的に1番か2番くらいに好きな曲なので、非常に楽しく弾けましたとさ。
夜は有名ミュージシャンも訪れたというナイスな豚カツ屋へ。アシスタントのホリゴメさんと色々話した。というか食い終わって気付いたけど変わり種メニューしか無いのかと思ったら普通のメニューもあるジャーーーーン!!!!
そして数日後。今日はフワ(フワリスタジオをみんなこう呼ぶ)にてオルガン・コーラス録音。窪田さんはピアノよりオルガンが得意なのだそうだ。ピアノもゆかりさんとは全然違う感じでいいんだけどね。やはりエレクトーン出身者だからオルガンの方が身近な感じがするんだろうか?フワでは録音は僕が担当。オルガンはライン録りなんで、ラクなもんです。で、本日のメニューは「ほんのり」、「心ごころ」、「何をするでも話すでもなく」。「ほんのり」はシンセも。
基本的に録音中は口を出す事はあまりない。ゆかりさんは勝手に入ってくる近所の猫と遊んだりしてる。で、出来上がったら色々「こうしたら?」とか言って、先に言えよ!みたいな。僕から見るとうまく弾けてるのに、窪田さんは割とうなされてるみたいな感じになりながら録るタイプ。「うーん、、、」とかずっと言ってる。産む時の感じでいうと、ウミガメ系か。でも割り切りも早いというか、録音の時間は僕ほどかかりません。
そしてコーラス。前回ボーカルを自分達で録ってわりと苦労したので、メインに関してはどうしてもエンジニアさんにお願いしたかったのだけど、コーラスなんかは自分達で録ってもいいかな、ということで、録ってみました。エンジニア中村さんが貸してくれたマイクで録る、録る。特別に中村さんから「こう録って」みたいな事は言われてないけど、デッド(残響がない感じ)な方があとあといいんだろうな、と思って、マイクスタンドをTの字にたてて毛布を吊るしたりして、仮設ブースを作ってその中で歌ってもらった。「飲み物とって」とか言われるたびに毛布をめくるのがめんどくさいぜ。
んな感じで無事終了。次はピアノだ。
PHOTO : HIDETOMO HIRAYAMA
第四回 10/7,8 ピアノレコーディング
今日は下北でピアノのレコーディングだ。今日明日で録音するのは「おはよう今日の日」「心ごころ」「ほんのり」「白いリボン」「おくりもの」の5曲。ザ・ハードスケジュール。部屋は違うけど、あざやかの時にバイオリンを録音したのと同じとこ。機材の運搬があるので、集合はフワで、みんなでタクシーに乗って向かった。いい天気だね。
部屋に入ってみると、結構せまい!こりゃ長時間3人で入ってると疲れそうだな〜。とかなんとか思いつつもくもくとセッティング。Macの位置を決めて、ヘッドフォンミキサー置いて、うんぬんかんぬん。じゃあマイクを、、、と思ったら無いじゃん!忘れてんじゃん!というわけで、ゆずりあい精神の目くばせ会議の結果、窪田さんがフワに取りにいくことに。頑張れー!
その間はデータを整理したり色々して、1時間くらいで窪田さんが帰ってきたタイミングでみんなで昼メシ。ブラジル並みの時間の流れ方。白い壁と高い天井のおしゃれなカフェにビンビンに響くバッドニュース某担当のハイゲインボイスに耳をまかせながらのライブ打ち合わせ。
で、スタジオへ帰り、やっとこさ録音にこぎ着けた、、、と思ったのだが、まずはマイクセッティング。このあいだエンジニアの中村さんから教わったとおりに置いてみるも、なかなかうまくいかない。中村さんはいとも簡単そうにやってたけど、やっぱプロは違うな〜とか思いつつ、3人であーだこーだと、なんと3時間!もかけてしまった。わりと体力使い果たした空気の流れる中、最初に挑戦するのは窪田さん。曲は「おはよう今日の日」。肩ならし的に何度か曲にあわせて弾いているうちに、グルーヴが出てきた。強いタッチのピアノっていいねー。てかこのイントロよくない?人力フェイドイン。今日はウミガメじゃない感じだ。
で、1曲目終わりで結構いい時間で、みんな腹ペコったのでおにぎりタイム。ゆかりさんがホイルにつつんでもってきてくれた。うま。サラミ付き。男子陣はモクモクタイムも。
二曲目は「ほんのり」。ほんとはゆかりさんがやる予定だったけど、曲的に窪田さんの方がいーんじゃねーの?と僕が指摘したら、窪田さんが弾くことになった。ゆかりさんが一瞬苦い顔をした気もしたが、スルーした。この曲の入りの「じゃかじゃかじゃか〜」っていうの、普通に聴いてもわからないけど、クリック的にくって入ってるのね。シンコペ。わかんねーっつーのとゆかりさんには言っておきました。また苦い顔をされた。
本人はどう思っているのか知らないが、窪田さんは結構こういうタイプの曲が得意だと思う。ライブでもこういうのだと笑いながら弾いてるもんね。というわけでサクサク録音終了。スタジオのロッカーに機材をつめこみまくり、1日目終了。明日は現地集合ね。
んで二日目。今日は早くついてしまったのでコンビニのウラで一人おにぎりタイムしてからスタジオに向かったら、遅刻すんなみたいな目で見られた。ショック。
マイクのセッティングもスムーズ。今日はいいペースで録音できそうだ。今日はゆかりさんから。「白いリボン」。やっぱ同じ楽器使っても全然違う音に聴こえるもんだねー。ゆかりさんのピアノはゆかりさんの歌に近い。独特の抑揚とリズム。ゆかりさんは録音早い人なので、サクサク終わる。みんなサクサクだね。
二曲目は「おくりもの」。担当はゆかりさん。これはクリックなしでいいんじゃない?と2人に問いかけるも、あんま反応がよくない。はいはい。クリックok。クリックいいよね。クリックサイコー!クリック入れてとりました。でもクリックなしも録音したんですよ。SEで使おう、とかいって。結局使わなかったけどね。
ゆかりさんのアイデアで合奏ぽい雰囲気が出したい、ってことで、窪田さんと同時に弾いたりいろいろ試したけど、結局伴奏と主メロをゆかりさんが分けて弾くってことになった。この録りかただとミックス的にも面白くできそうだ。この曲だけ僕がミックスなんすよ。
そしてまたおにぎりタイム。サラミも。おにぎりばっか食ってるなー。
最後は「心ごころ」。この曲も当初はゆかりさんの予定だったけど、ゆかりさんが弾き語りで作ったバージョンからキーが変わってしまったので、弾けないというハナシに。当日に言うのが笑える。というわけで窪田さんが弾くことに。ゆかりさんから色々と演奏指導があったりもしつつ、つつがなく録音終了。すぐ弾けちゃうのがすごいね。
んな感じでフワまで機材を運んで、この日は終了となりました。
PHOTO : HIDETOMO HIRAYAMA
第五回 10/9,10 フルート、クラリネット、ピッコロ、ボーカル&コーラスレコーディング
今日は『白いリボン』のフルート、クラ、ピッコロと、何曲かの歌の録り。
フルート、クラ、ピッコロは、あのチャンチキトルネエドのメンバーである井上さんと斉藤さんにお願いしているのだ。聴いた事ありますか?まさに名は体をあらわす。トルネエドなチャンチキな音楽集団なわけです。
と、いいつつも初対面だったりライブだけ一方的に見させてもらってたりというかんじなので、まずはご飯でも、ということに。エンジニア中村さんのスタジオがある駅の目の前にある手打ちパスタの店へみんなで。楽器についてだとか、色々と話を聴かせてもらえた。ふたりとも『白いリボン』を気に入って下さっている様で、ひと安心。お腹もふくれたところで、いざスタジオへ。中村さん、こんちは。
で、なんだかんだとしゃべっているうちに中村さんから「いつでもいいですよ〜」的合図が入り、いざ録音スタート。てか楽器かっこいいぜ。触りたいけど、触っちゃいけないんだろうな、と思いつつ、じっと見つめてしまいました。フレーズ自体は窪田アレンジでほぼ決まっているのだが、音の積みとか、録音しながら試させてもらったり、お二人からアイデアをもらったりして進んで行く。ていうかやっぱ本物は音いいね!!
いやー、いい感じいい感じ。色々試行錯誤のすえ、すごくいいテイクが録れました。そして、あんまりネタばらししたくないので詳しく書かないけど、冒頭のフリーダムな感じのを録音。いいねー。自然自然。斉藤さんはちょっと苦い顔してたけど、全然いいかんじですよ!!
途中遊びでチャンチキ風のを吹いてくれたりもして、「スゲーー!!!」みたいな感じになったりもしました。ライブでもいつか手伝って下さい、とお願いしつつ、今日のところはお疲れさまでした。
そしてボーカル。実は合間で少しずつ録音したりしてたり、デモのテイクを活かすパターンもあったりとかして、今日明日で録るのは『ほんのり』『おはよう今日の日』『何をするでも話すでもなく』の3曲。
歌の録音は、ざっくり説明しますと、何回か歌って、いいところをつないでいく感じ。ほとんど差し替え無しでいいときもあるけどね。今日は『ほんのり』でも録音してみますか。
中村さんスタジオにあるブースに、ゆかりさんが入ります。僕と窪田さんは何枚かの歌詞のプリントとえんぴつをスタンバイ。いいところに印をつけていくのです。自分で決める人もいるみたいだけど、僕らは大体ゆかりさん以外の人が選んで、どうしても本人がこだわりたいところは本人にまかす感じ。
いいのができるまで1000本ノック状態の人もいるのかもしれませんが、基本的に歌はあまりテイクを重ね過ぎると時間がたつにつれてどんどん声質が変わってしまうので、少なめのところで抑えなくてはいけません。じゃないと繋がらないから。ゆかりさんはだいたい3本くらい。多くて5本くらいか?気分でもっと歌うこともあるけど、大体最後の方のは声変わってて繋がらなくて使えない、というパターンになりがちです。
で、今日は調子いいかも?なんとなく選ぶ個所も僕と窪田さんでカブってる感じとかもあって、いい感じで決まりました。て、早いじゃん!もう1曲いっとく?なんて調子で、気付いたらメインボーカルは全部録れちゃいました。いままでで最速かもね。んな感じで今日はお疲れかな?
んなわけで日記はここまでしかつけてませんでした。あとはご想像におまかせしていいですかね。ごめんね。では、みなさん聴いて下さいねー!!
PHOTO : HIDETOMO HIRAYAMA
「おはよう今日の日」
二度と会えない今日におはようとさよならを
誰かとずっと過ごす毎日は一度限りの日々
「心ごころ」
季節の移り変わり時に懐しさやさみしさを感じることはありませんか
それぞれの思いが街中にあふれかえり
少し冷たい風が自分の中をすっと通り抜ける感じです
「ほんのり」
おくりものを作る際、アレンジのアイディアを提案しました
大きいおくりもの、気持ちのおくりもの、ささやかなもの…等など
この曲については一方的なおくりものと言ったと思います
つきあいの中で相手の好みを知る機会は意外とゆっくりやってきます
一気に聞くのもなんですけれど一気に知りたいときもあると
「何をするでも話すでもなく」
自分の中のもやもやを解決するのは自分ですが
誰かの存在があるだけで解決に大きく差が出るような気がします
何気ないそぶりや表情にヒントを得る場合も多いはずです
側にいるだけで暖かい気持ちにしてくれます
「白いリボン」
歌詞の中の大きな箱とは大切な人の存在感をあらわしています
これからの新しい毎日ともいえます
大きな箱にまかれているリボンはコミュニケーションをはかるたび
するするほどけていきます
「おくりもの」
世の中全ておくられものだと感じました
毎日明日に手紙を書いていて、読んだらまた書いて
みんなもおくられものです
合唱曲用として考えたのが始まりでした
「おはよう今日の日」
短いフレーズの繰り返すこの曲の手法は前作『6月のポムさん』で試みた事はあっが、実現には至らなかった。今回はとてもうまく行ったと思う。
ドラムやピアノのパターンも曲中基本的に変わらず。オルガンはゆかりさん。鍵盤楽器を弾く時ゆかりさんはいつも音使いがモダンに聴こえる。戸川君はベースとギター両方を担当。彼の演奏は独特の正確さがあって空気公団の抽象的な雰囲気を醸し出しているが、この曲ではまさに本領発揮といったところか。
そもそも曲自体が持っている気温の低さをうまく残すことがテーマだったが、エンジニアの中村文俊さんの作る音像とうまく相まって、その雰囲気(早朝の気温感とでも言うべきか)がよく出たと思う。
「心ごころ」
空気公団の一面を代表する曲に聴こえる。アレンジの作業として最初にピアノの弾き語りのデータをもらい、そこからテーマや作戦に乗っ取って楽器を積み重ねて行くのだが、この曲は「空気公団ブレイク」を散りばめたものにしようと考えた。(『ねむり』の『とおりは夜だらけ』がその代表かな?)
ゆかりさんの楽曲は分数コードが多用されているのが特徴で、(使い方は個性があらわれる)この曲は非常に効果的に出てくる。曲の持つ大きい雰囲気に対して歌や演奏の近さが心地良く、その世界や雰囲気を聴くとこれから先はこの様な曲が大切になってくるのではないか?と思います。
この曲がただ甘い曲に聴こえないのはギターが効いているからで、お馴染み石坂義晴さんに感謝です。
「ほんのり」
8ビートの曲。このようなアップテンポの曲に図らずも空気公団のカラーは出る気がする。矢継ぎ早の質問が問いかけられるこの曲は「押し付けがましいおくりもの」とアレンジの注文を受けていた。曲の中心はギターで、暖かさや格好良さを引き出している。石坂さんの人柄そのままの演奏。
間奏のコード進行がとても斬新で格好良い。モダンなコード進行に対して歪んだギターをお願いしたのだが、こちらの予想を遥かに超える歌ったプレイに感激。
太田君の躍動感あふれるリズムに全体が引っ張られて行くこの曲は、「水々しいおくりもの」に仕上がったと思う。
「何をするでも話すでもなく」
デモの制作時、ゆかりさんのノン・クリックの演奏にドラムを無理矢理くっつけて制作していたこの曲、完成形もノン・クリックの物となったが、実は少しサイケデリックなバージョンも存在した。
間奏にコーラスが沢山入ったリズムアレンジの若干異なるもの。結果的に曲そのものが持つ雰囲気を出しているのはどちらかとの視点で、ノン・クリックのものが選ばれた。ただ、あまりにストレートな演奏だと曲の意図とずれてしまう危険があったため、バラード然とした世界に留まらないように注意しながら録音は進んだ。
この曲でも山口ともさんはとても素晴らしい演奏。いつも良い絵画を描いてくれる。楽器やコーラス等まだかぶせられるかな?と思ったが、これ以上何か加わるとすべて「蛇足」になりそうな気がして、何も足さなかった。
「白いリボン」
おくりものの中核となる曲。空調機メーカーのHPでインスト版が使用されていた。他の曲と同様におくりものへ入れるべく作られた曲だったがスケジュールの関係で先に録音された。笹井さんのドラム、K-taさんのマリンバ、ともさんのパーカッションこの3人がせーので1発録り。ツワモノ3人、打楽器奏者のみのスタジオワークはなかなか見れない光景。ゆかりさんから中学生の合奏みたいにとの注文もあり、リズムに1発録りならではの一体感がある。
奥田君のギターは後日録音。前回あざやかの時も3拍子の曲で参加してもらい、今回も「ハチロク」もので参加。暖かい雰囲気をいつも曲に加えてくれる。次は何拍子の曲をお願いすることになるのか…。これに空気公団の演奏が加わりインスト版としてアップ、ここまでの録音が6月のものだった。
10月になり、おくりもの収録のために楽器の差し替え、メインボーカル録りが始まり、フルートとクラリネットの録音となる。木管楽器ならではの耳触りが心地よい。チャンチキトルネエド、斉藤さん井上さんの楽器の歌いが曲を深いものにしてくれている。
白いリボンは頻繁なリズムチェンジ、フレージング主体の楽器演奏と今回の楽曲の中では一番チャレンジの部分が大きかったと思う。アレンジ上、ミニアルバムのキーワードとなる要素も多く、おくりもの製作中は一つの指針となっていた曲だった。
「おくりもの」
最初は合唱の曲だったが、最後インストに落ち着いた。良い曲であれば多くの可能性を持っている典型的な曲だと思う。どんな姿でも変わらないというか。いつかこの曲の合唱曲編を聴いてみたい。
ピアノはゆかりさん。曲を作った本人が弾くピアノにはとても説得力がある。戸川君の空間的なギターがSEとともに(録音場所は建設現場なんだって)良いスパイスになっている。
色々楽器を入れる事も考えたが、この曲も足してしまうとすべて「蛇足」になってしまう気がしてここまでにしておいた。
去年発売されましたミニアルバム「おくりもの」は聴いて頂けましたでしょうか。
その「おくりもの」の発売記念としまして「おくりものLive」を開催することとなりました。
大切な何かや誰かの存在感をテーマに、より暖かなイメージをと思い制作された「おくりもの」。
音源に合った会場で演奏が出来ればと考え、この3会場で行わせていただくことになりました。
飲み物も食べ物もおいしい会場でゆったりしながら音楽を聴いて頂きたいと思います。
リハーサル日記(窪田)
★1月20日(土)曇りのち雨。★
今日はおくりものライブのリハーサル。初日。3人寒空の下集まる。まずは腹ごしらえ、最大サイズのハンバーガーを食べながら品切れとは何かについて話す。食事が済んだら楽器を並べていよいよ開始です。
去年のあざやかツアーはエレキ編成だったが、今回はアコースティック編成。と言う事は必要最小限の音しか出せない。なのでフレーズの割り振りが重要になる。気合い。
今回は新曲旧曲織り交ぜたメニュー。ごはん演奏会では戸川君はアコギの人でベースは弾かなかったのですが、今のところツアーはアコギの人の予定。この曲だけベースを弾けば?と皆から言われるとイヤソーな顔をしていた。
……。
今日は曲をとにかく演奏してみる感じになる。演奏と技術と心意気の話や、表現とは何か?の話しを挟みながらやみくもに演奏していた訳です。
しかし空気公団はとにかく名曲揃いですね。演奏してさらに実感。過去曲をやって自分も10年バンドに在籍している気分。ふふふ。
リハ初日はとかく頭がフル回転になりがち。慣れない曲ばかりだから、体力も使うし。合間に休憩をマメに取る。ダンゴを食らいつつヘトヘト寸前まで気合いで乗り切る。
みっちりリハーサル3時間の初日が終わりました。皆さんお疲れ様でした。
★2月6日(月)晴れ。★
今回のツアーはアコースティック編成で望むので、いつもはこじんまりフワでリハをしているのですが、本日は渋谷のリハスタでリハーサル。真冬とは思えぬ暖かい夜に3人は集まったのです。
実は山崎さんと戸川君はアサイチで打ち合わせがあったのですが、僕は不参加。その打ち合わせは「おくりもの」のジャケで素敵な盆栽を作ってくれたMUSUBI さんとのもので、ライブのステージに関して話をしていたのです。(Diary にも書いてありますね)楽しみなアイデアを頂いたのでワクワクです。MUSUBI さんありがとうございました。それからその日の夜にちゃんと3人集まってリハーサルとなったのでした。
山崎さんは夜食のおにぎりを持参。腹に染みます。食事中は空気公団の思い出話などで和む。結成当初の話。いやあ、人に歴史ありですなあ。10年前と言えば僕はまだ2人を1ミリも知らなかったのですからね。なので他人事として楽しませてもらいました。
そしていよいよリハへ。リハスタのピアノが超個性的な方でデジタル魂全開。なだめすかしつの演奏でした。
今日は主にコーラスの確認を中心に進んで行きます。音源の山崎さんコーラスをいざ男2人が再現すると、往年のグリークラブのような、少々ドスの効いたものになってしまうので(要は男が歌うには低いのですね)ラインを細かく整えて行く。体力勝負。そしてコーラスまとまったかな?と思う頃、同時に楽器の役割分担も詰まって来て、そろそろ全体の流れが見えて来ました。ともさんと合わすのはこれからなのですが、バンドはなかなか雰囲気上々。曲が良いからまとまるのも早いですね。そこでも10年の蓄積を感じる。長くやるってことは良いことなんだ。
今日でアレンジの確認はひとまず完了、お疲れさまでした。後は練習あるのみです。ライブってストイックですね。
★2月14日(火)雨。★
本日もリハスタでリハです。外は風の強い雨。気温も高し。東京は春一番のような気候。
僕は最近風邪で寝込んだりしていたので足元おぼつかず、ぐらぐら風に揺られてスタジオへ向かいました。今日も山崎おにぎりが用意されリハーサル前に食べる。
しかし食事が出来るっていいですね。風邪をひくと食欲が超減退する僕なのでここしばらくはあまり食べていなかった。(風邪薬で胃が荒れるからなのかも)いつもそうなんですが、風邪が治ると食欲がフルになってリバウンド街道を歩んでしまう。その先駆けとなりうるおにぎりでした。
さてリハーサルもいよいよ佳境。全体通して演奏してみる。細かく詰めて行く曲もまだあるのですが、出そろった感が漂いはじめました。あざやかツアーの時とはヒト味違う緊張感とリラックス感が音にあります。さて本番はどうなりますか…。
コーラスを確認したり音の積み重ねやフレージングなどは都度様子を見ながら、結構細かくかつ大らかに練習あるのみリハは進みます。リハはスポーツに近いものがあって、頭の中はドーパミンが充満してくるのか、後半にもなると風邪のことなど忘れて演奏。くだらない話にも笑ってしまう。
そんなこんなでお疲れさま。本番まで体調管理には気を付けましょう。
★2月21日(水)晴れ★
皆さんお元気ですか。体調を崩していませんか?前回体調に気を付けましょうと言ったのですが、空気公団は風邪流行りです。私は治りました。しかし他2名、風邪なのです。私が震源なのでしょうか。あ〜。2人は快方に向かっている様子なので、なにより。ご心配おかけしております。
さて昨日今日と、ともさんスタジオでリハーサルでした。アトリエ、事務所、スタジオとなっているともさんの事務所で集合。真っ赤な絨毯が格好良いスタジオで久しぶりのともさんリハです。
アトリエの部分には沢山の工具と廃品があって、制作中の楽器があちらこちらに。また天井には叩くと「ビショウ〜ン!」と鳴るバネが張り巡らされていていつでも「桃色の絨毯」が演奏出来るような状態。また昨日はサンゴ礁が万力(中学の技術家庭の授業でお馴染み)に挟まっていて、彼の行く末が気になりました。海洋生物から楽器への転身人生ですよ。
ともさんとは去年、あざやかツアーの大阪の時にゲストでお招きしまして、その後この間のごはん演奏会で一緒に演奏させてもらったのですが、何だかずっと空気公団にいる人のように、今回の演奏曲達がとてもとてもすんなりまとまって行きます。私より在籍歴が長いのでは?と思う始末。
と、申しますかですね、それはともさんが名実共に超素晴らしいミュージシャンだからそう感じたのですね。演奏以外にも色々教わること多数、見習いまくりの僕なのです。
途中にカメラマンのTAKAMURADAISUKEさんが写真を撮りに来てくれたり、(いつもありがとうございます)とても小さい人が遊びに来たりしながら、2日間リハは続き、終了。お疲れさまでした。
私、思ったのですが、今回のツアーバンドの音は純粋に好きな音だなあと思ったのです。他人事みたいな言い方になって、うまく言えないのですけれども…。
さて、その音を持ってまずは仙台に向かいます。すなわちツアーはいよいよ始まりなのです。ドキドキですよ。楽しい時間を一緒に過ごせたらと思います。
それでは会場でお会いしましょう。
仙台
01 おはよう今日の日
02 どこにもないよ
03 レモンを買おう
04 心ごころ
05 呼び声
06 こども
07 約束しよう
08 白のフワフワ
09 旅をしませんか
10 白いリボン
アンコール
夕暮れ電車に飛び乗れ
大阪
一部
01 おはよう今日の日
02 灰色の雲が近づいている
03 どこにもないよ
04 レモンを買おう
05 こども
06 心ごころ
二部
01 小さい本
02 呼び声
03 白
04 約束しよう
05 旅をしませんか
06 白いリボン
アンコール
夕暮れ電車に飛び乗れ
東京
一部
01 少し笑った横顔に
02 レモンを買おう
03 夕暮れ電車に飛び乗れ
04 どこにもないよ
05 心ごころ
06 こども
07 灰色の雲が近づいている
08 白のフワフワ
二部
01 白
02 ハナノカゲ
03 見えなくてもわかること
04 旅をしませんか
05 呼び声
06 約束しよう
07 おはよう今日の日
アンコール
少し笑った横顔に
白いリボン